池本茂貴『isles – Oath』

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現代ジャズシーンに新しい機運を巻き起こす俊英、池本茂貴率いる「isles」
広瀬未来、馬場智章らをはじめ、気鋭のメンバーとともに、ラージ・アンサンブルの今を切り拓く!

池本茂貴『isles – Oath』(JMMB-0001)
メーカーコメント

現代のジャズ界を牽引する気鋭が結集した注目の音楽集団、池本茂貴ラージアンサンブルisles によるデビュー作!2023年7月の丸の内コットンクラブでの公演でも、人気、実力をしめした。

リーダーの池本茂貴は、中学生の頃からトロンボーンを始め、名門甲南中学/高校で頭角を現したサラブレット。当時より、コンテンポラリーの楽曲を多く取り上げていた慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサエティに加入し、2 年の時からコンサートマスターを担当。マリア・シュナイダーを筆頭に、さまざまなアンサンブル/アレンジャーとの交流も盛んに音楽を磨き上げ、3年連続で同バンドを山野ビッグ・バンド・ジャズ・コンテストの最優秀賞に導いた。コンテストではまた、挟間美帆をはじめ国内外の気鋭の作編曲家に楽曲を委託、演奏してきた。

本作は、そんな池本が、全曲オリジナルで臨んだ作品。ビッグバンドの音圧感と、コンボのインタープレイの面白さを表現するバンドをめざし、メンバーは、池本自身が、演奏活動の中で魅了されたプレイヤーに声をかけ、3 ヶ月ごとにリハーサル。1 年の時を重ねて、制作した。 作編曲を始めたのはわずか2 年前とのことながら、数々のスコアを解析してきた経験は大きい。精緻なアンサンブル、グルーヴと共に、キャッチーなメロディ・ライン、美しいハーモニー感覚が融合したサウンドは、鮮やかに現代のシーンに連なる。また『Blue Giants』のサックスも担った馬場智章をはじめ、広瀬未来ら、各メンバーの自由なソロの魅力も引き出された。

自身ではMISIA, King Gnuのツアー等、POPS フィールドでも活躍中。その才能に期待が高まる。

私のおすすめコメント

13人のラージアンサンブル作品。スタイリッシュで行き届いた曲があり、そこにソリストたちがそれぞれのカラーを足していきます。聴いていくと、一曲目で実力者、広瀬未来(tp) 馬場智章(ts)の色を確認。そして、曲ごとにソリストの持ち味も確認していくことになります。
例えば、その一曲目「Comet」。下の曲目説明を引用すれば「大編成の迫力と、ソリストのインタープレイの魅力を意識して・・」とあり、正にその通りの迫力ありですね。
5曲入りのデビュー盤でありながら、スピリチュアルな感じがしたり、ファンクを出していたり、優しい響きのホーンアンサンブルがあったり・・多彩で魅力的な曲を聴かせます。まだまだ続き(たくさんの引き出し)がありそうで、各ソリストも含め、注目していきたい作品であると思います。
最後に、YBBJC主催の当社としては、名門慶應ライト・ミュージック・ソサエティのコンサート・マスターを2年生から3年間務め、3連覇に導いた・・という経歴の持ち主であることも嬉しく記したいと思います。
(ジャズ管理人)

曲目説明 (コメント: 池本茂貴、聞き手/文: 常盤武彦)

1. Comet ソリスト 馬場智章(ts) 広瀬未来(tp)
初めてのライヴの時に、大編成の迫力と、ソリストのインタープレイの魅力を意識して書いた曲です。メイン・ソリストと、馬場さんと広瀬さんの熱いプレイをフィーチャーしています。。王道のスウィング感と、コンテンポラリー・ジャズのコンビネーションができたかと思います。曲のスピード感が飛び交う彗星をイメージし、Cometとタイトルしました。アルバム、ライヴのオープナーにぴったりの曲です。

2. Hidamari ソリスト 馬場智章(ts)
日本語のタイトルをつけたかったので、まずタイトルから作りました。トロンボーン2本でキャッチーなメロディを意識して、書いています。この曲でも、馬場さんをフィーチャーしました。

3. Rhythm Blocks ソリスト 海堀弘太(p) 苗代尚寛(el-g) 小田桐和寛(ds) 岡本健太(perc)
リズム・セクション・フィーチャーで、変拍子のように聴こえて、実は変拍子ではないという曲です。タイトル通り、リズムのブロックを組み合わせています。ピアノのイントロは、ある朝目が覚めたら、聴こえてきたリズム・パターンで、それに基づいて曲を書いていま す。ピアノ・ソロからギター・ソロへと至る過程で、ホーンが6つの異なるフレーズをプレイしてレイヤーを重ねているところが、聴きどころです。この5人の素晴らしいリズム・セクションを堪能してください。

4. Oath ソリスト 小川晋平(b) 池本茂貴(tb) 海堀弘太(p)
2年前に亡くなり、私を励ましてくれていた祖父に捧げた曲です。Oats(宣誓)とは、亡くなる前の祖父との約束、誓いのこと。「Hidamari」と並んで、ライヴで演奏するとお客様に評判の良いキャッチーなメロディの曲です。自分の頭に浮かんだメロディを、素直にトロンボーンで吹いたのが、よかったのかと思います。メロディはシンプルですが、リズムやハーモニーの動きはコンテンポラリー・ラージ・アンンサンブルならではの複雑な動きをしています。

5. Wind at My Back ソリスト 佐瀬悠輔(tp) David Negrete(as)
初めて書いたオリジナル・ラージ・アンサンブル曲です。イントロのトロンボーンは、私は指揮をしているので、和田さんにプレイしてもらっています。佐瀬さんのトランペット・ソロが盛り上がってから、デヴィッドのアルト・ソロに至る過程に悩みに悩み抜いて、やっとなんとかいい形に完成したのではと思っています。

演奏者・曲目

池本茂貴 (Conducting & Trombone)
ディビッド・ネグレテ(as, fl), 馬場智章 (ts, cl),陸悠 (ts,fl,ss,cl), 宮木謙介 (bs,bcl),広瀬未来 (tp, flh), 佐瀬悠輔 (tp, flh),和田充弘 (tb),海堀弘太 (p), 小川晋平(b) , Taka Nawashiro (g),小田桐和寛 (ds), 岡本健太 (perc)

1. COMET
2. HIDAMARI
3. Rhythm Blocks
4. Oath
5. Wind at My Back
All compositions arranged by Shigetaka Ikemoto
All compositions written Shigetaka Ikemoto
録音:2023 年4月13日 東京 SOUND CITY

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