外山安樹子トリオ『MOVING AGAIN ‘19→‘23』

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機は熟した・・・足掛け4年の成果を集大成、新曲を満載した待望のニュー・アルバム!

外山安樹子『MOVING AGAIN ‘19→‘23』TAR-3
メーカーコメント

2008年の結成以来、常に魅力的なオリジナル曲とスタンダード解釈でファンを魅了してきた外山安樹子トリオ[外山安樹子(pf)、関口宗之(b)、秋葉正樹(ds)]。ライス・レコードからはこれまでに『Tres Trick』(TAR-001/2016年)、『スノーイング・タウン』(TAR-2154/2017年)、『TOWARDTHE 11TH』(TAR-002/2018年)の3作をリリースしてまいりました。その後全曲スタンダードに挑んだ『レターズ』(Autumn Leaves Record/2021年)を挟んで再びライス・レコードから発表することになったのが、フル・アルバムとしては7作目となる本作『Moving Again 19’→23’』です。

本作はそのタイトルのとおり「コロナ禍からの再出発」をテーマにした内容。コロナ禍においてはそれまでのライヴ中心の活動スタイルは制約を受けてしまいましたが、それでも2020年5月にはメンバーが自宅からリモートで演奏した新曲「まっすぐに」(本作⑧に収録)をネット配信で発表するなど、逆境を糧にしたような活動も行ってきました。本作ではそんな時期に生まれたオリジナルを多く含んでいて、これまでに『ジャズ批評』誌にてジャズメロディ賞を何度も受賞するなど、大変定評のある外山のペンによる楽曲を中心に収録しています。

コロナ禍の沈みがちな日々から生み出された①、緊急事態宣言が解除された際の解放感をテーマにした④、コロナ禍に葛藤しつつ前へ進もうとする女性をイメージした⑫など、これまで以上に想像力を掻き立てる秀逸なオリジナル曲が軒を連ねています。さらに「Here’s to Life」、「Pure Imagination」、「Moonlight」(Sting)といった珠玉の名曲を外山トリオ風にアレンジ。ジャズの新鮮な解釈を加えて、新たな方向性も示唆しています。

もちろん一番の聴き所は、息の合ったメンバーたちのインタープレイから生まれる「躍動と抒情」という相反する要素を内包した音楽性で、結成当時からの持ち味であるそのスタイルは、ここで遂に完成の域に達しました。  ピアノ・トリオの自由で開放的なジャズ・サウンドがお好きな方であれば絶対に気に入る作品。全てのジャズ・ファンに手にして欲しい1枚です。

ジャズ担当、おすすめコメント

今年1月に発売になったソロアルバム、『MY PALETTE』に続いて、早くも届いた外山さんの新作。今作はトリオでの録音です。ジャズのスイング感はもちろん大切にしながら、自分の身近な出来事や思いを曲にしていて、何ともその風景(や思い)を想像してしまい、親しみが湧いてきます。
例えば、① 「イランカラプテ」は故郷に帰省した際に知った、北海道の先住民族アイヌの人々の言葉に着想を得たもの・・(曲を聴き、私的には北海道の大きな空を連想しました)明るく耳に残る、力強いメロディを持ったジャズ曲です。
こうした自作曲の一方で、映画に使用された曲などをストレートにジャズ化しているのも見事です。例えば、⑤や⑥、⑩ですね。特に⑤「Moonlight」の軽快なスイングアレンジにトリオ一丸となったパワーを感じ、⑥「Pure Imagination」の本来のメロディの美しさに、さらにプラスを加えるような流麗さは見事だと思います。
あと、ブルースの⑪「Blues Discovery」。私は聴いていてまったく気づきませんでしたが、7拍子なのだそう・・こんな発想も面白いですね。
いやいや前回のソロ作品とはまた違うトリオでの「外山さんのジャズ」をぜひお楽しみください。
(ジャズ管理人)

演奏者・曲目

外山安樹子トリオ
外山安樹子(pf)
関口宗之(b)
秋葉正樹(ds)

1. イランカラプテ
2. Back and Forth
3. ATB
4. Awakening
5. Moonlight
6. Pure Imagination
7. Écouter La Danse, Voir La Musique
8. まっすぐに
9. Dancing in the Water
10. Here’s to Life
11. Blues Discovery
12. This Must Be the Place

『Moving Again’19→’23/外山安樹子トリオ』のPV(外山安樹子Twitterより)

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