V.A.(寺島靖国) / For Jazz Ballad Fans Only Vol.4

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ゆっくりのテンポで曲を美麗に歌い上げるのがバラッドではなく、演奏家が曲の「歌心」をしっかりと表現する。それこそがバラッドなのです。「この曲ってこんなにいい曲だったのか」そんな嬉しい発見のひとときを。

V.A.(寺島靖国)『For Jazz Ballad Fans Only Vol.4』 寺島レコード / TYR-1113
メーカーコメント

2019年に新設した《For Jazz Ballad Fans Only》 シリーズも、好評につき4作目のリリース!演奏、音色、曲の妙をベストに味わえる“ジャズ・バラッド”にスポットを当て、初心者リスナーはもちろん、ベテラン・ファンにも喜んでいただける充実の内容。演奏家が曲に対する「歌心」を表現した名演。演奏家が楽曲と向き合い、作曲家が意図した通りの旋律をジャズ的に表現する。そんな作品を集めた唯一無二のコンピレーション・シリーズ。
【解説】 寺島靖国

ジャズ担当、おすすめコメント

まさにバラード100%・・寺島レコードの人気シリーズ「For Jazz Ballad Fans Only」、第4作目です。
今回はバルネ・ウィラン「サマー・オブ ‘42」でスタート。いきなりバルネの色気のある吹きを満喫します。②「トレス・パラブラス」もテナーで、こちらはボサバラード・・軽めの雰囲気でこんな吹きもいいもの。この曲ピアノもいいですね。そして今回、聴いていて思うのは菅楽器の入る曲が多いことです。⑥「ラスト・タンゴ・イン・パリ」が、本作で初の管楽器のない曲でピアノソロです。寺島さんがソロを選ぶって珍しいような・・ひんやりした音のバラードです。
少しこんな感じで進めると、⑦「ワン・ファイン・ディ」は、ずるっと来るサブトーンにベン・ウェブスターの音を連想、あぁヤン・ハルベックでしたか。⑧「ピーコックス」は今作で初のピアノトリオ曲。わざと外れていくようなフレーズがあったりして、私好みでした。ジャンニ・バッソとレナート・セラーニの⑨は、名スタンダードをさらっと聴かせます。粋ですね~。⑩キャロリン・ブロイヤーはミデアムバラード。エリントンの「イン・ア・センチメンタル・ムード」をボサリズムって、意外なアレンジですね。⑫と⑬は共にドイツのサックス奏者、ピーター・ウェインガーの演奏。どちらかといえば私、ピアノレストリオによる⑬「あなたは恋を知らない」の沈んでいく感じがいいなぁと思いました。最後のプシェメク・ディアコフスキは、ストリングス入り。ミデアム調でこれも意外な曲調ですね。ポーランドの奏者だそうです。
しかし・・(以前、Vocal Fans Only でも書きましたが)すべてバラードで14曲。これに起承転結を付けて聴かせるって、やっぱりすごいなあと思います。うむ、これはお酒のお供にどうぞ。
(ジャズ管理人)

演奏者・曲目

1. Un Eté 42 [Summer Of ‘42] / Barney Wilen
2. Tres Palabras / Larry McKenna
3. Somewhere Over the Rainbow / Mark Colby
4. Tennessee Waltz / Jakob Dinesen
5. I’ll Follow My Secret Heart / Ken Peplowski
6. Last Tango in Paris / Joachim Kühn
7. One Fine Day / Jan Harbeck Quartet
8. The Peacocks / Alessandro Lanzoni
9. Autumn in New York / Gianni Basso meets Renato Sellani Trio
10. In a Sentimental Mood / Carolyn Breuer
11. Storybook Sequel / Lisa Hilton
12. What a Difference a Day Makes / Peter Weniger, Martin Wind
13. You Don’t Know What Love Is / Peter Weniger
14. I Kiss Your Hand, Madame / Przemek Dyakowski

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