デミアン・ドレリ『ピンク・ムーン~プレイズ・ニック・ドレイク』

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ロンドン生まれ、ロンドン育ちの生粋のロンドンっ子である期待の若手ピアニスト、デミアン・ドレリのデビュー・ソロ・アルバム。クラシック・シーンで活躍しながらもキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」に影響を受け、ニック・ドレイクを愛聴し、感銘を受けたアルバム「ピンク・ムーン」を丸ごとカバーした話題作!

デミアン・ドレリ『ピンク・ムーン~プレイズ・ニック・ドレイク』MZCS-1455
メーカーコメント

本作は、ピーター・ガブリエルが主宰するロンドンのレーベル、リアル・ワールドが所有するスタジオで録音された。そして、「ウッドルーム」と呼ばれる、豊かな自然の残響音が得られるスタジオ・ルームで行われたことで、デミアンが描きたかった温かみのある音像が実現された。そしてデミアンも賛辞を寄せるエンジニア、ティム・オリヴァーのミックスダウンも素晴らしく、まるで間近で演奏を聴いているような、親密な雰囲気に仕上げられている。冒頭「Pink Moon」の旋律に耳を傾けてほしい。現実と夢想の間を揺らめくような淡い刹那がじんわりと心に染み込んでいく。「今後、取り上げてみたい作品はありますか?」と尋ねたところ、デミアンからこんな答えが返ってきた――「このプロジェクトで、ニック・ドレイクの音楽がより身近に感じられるようになり、その物語はまだ終わらないと感じている」と。デミアンのピアノを通して、ニック・ドレイクという音楽家の姿を改めて再確認するような、音楽の輪廻転生の魔法を信じてやまない。 最後に、このミューザックの国内盤にはボーナストラックとして「One Of These Things First」と「Fly」(共に『BryterLayter』収録)が収められているが、やはりどちらも静謐で凛とした空気を見事に捉えた名演で、ぜひ彼の言う物語の続きを楽しみにしたい。 …山本勇樹(ライナーノーツより抜粋)

ジャズ担当、おすすめコメント

ニック・ドレイク・・といわれても、まったく思い当たらない私。今回初めて名前を知りました。少し調べると・・英国フォーク・ロックのカリスマで、1974年に薬物の過剰摂取で他界。残されたアルバムはわずか3枚というシンガーソングライターだそう。
今回、デミアンがまるまるカヴァーをした『ピンク・ムーン』は、「ニック・ドレイクを“伝説”の位置にまで高めた3rdアルバム。一切の装飾を排除、自身のギター/ピアノのみをバックに歌われる儚くも麗しい作品からは、不遇の天才が秘めていた剥き出しの感情が滲む。(ユニバーサルミュージックHPより)」と評される作品です。
そんなアルバムをデミアンはピアノのインストでカヴァー。私が初めに聴いたときに感じたフォーキーさは、ドレイクに通じるものだと思います。そして、この感覚に1970年前後のキース・ジャレットを(軽く)連想しました。①「ピンク・ムーン」の凛とした、でもキャッチーなピアノ。⑩「ハーヴェスト・ブリード」はキース・ジャレットとフォークの旋律が程よく混合された感じでしょうか。この2曲が印象に残りました。
なんでもデミアンは、イタリアのコンテンポラリーピアニスト、ルドヴィコ・エイナウディと大学時代からの友人だそう。そんな現代さも感じます。ジャズとか、フォークとか・・ジャンル、世代も超えた美しいピアノソロ作品です。
(ジャズ管理人)

演奏者・曲目

デミアン・ドレリ(p)

1. ピンク・ムーン
2. プレイス・トゥ・ビー
3. ロード
4. ウィッチ・ウィル
5. ホーン
6. シングス・ビハインド・ザ・サン
7. ノウ
8. パラサイト
9. フリー・ライド
10. ハーヴェスト・ブリード
11. フロム・ザ・モーニング
12. フライ*
13. ワン・オブ・ジーズ・シングス・ファースト*
*ボーナス・トラック

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