フレッド・ハーシュ&エスペランサ・スポルディング『アライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』

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フレッド・ハーシュ&エスペランサ・スポルディング・・
えっ!と思う組み合わせですが、すばらしく息の合ったデュオ。
エスペランサはベースを弾かず歌に専念しています。

フレッド・ハーシュ&エスペランサ・スポルディング『アライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』FFPC-2
ジャズ担当、おすすめコメント

ハーシュとエスペランサ(年の差30歳以上)、なんとも意外な組み合わせと思いましたが、2013年に初共演し、以降もデュオとして活動を続けているのですね。この作品は2018年10月にNY「ヴィレッジ・ヴァンガード」で行われた、3日間6セットの演奏の中から厳選された8曲を収めています。ベーシストとしても知られるエスペランサですが、ここではベースを封印、歌に専念。これがジャズスタンダードに、正面から向かい合った実に素晴らしいもの。自由度高くソウルフルに聴かせます。お相手のハーシュもジャズらしいラフさと、ベテランらしい「格」のあるピアノで受けています。各曲で二人の呼吸が感じられていいですね。①「But Not For Me」は出だしの、お皿のカシャン音から客席にトリップする思い・・。人懐こい声が映えます。私が一番だと思ったのは、④「Girl Talk」。12分におよぶ長尺曲ですが、観客席との掛け合いにNYのクラブの雰囲気を感じます(行ったことないですが・・)。⑦「Loro」はエグベルト・ジスモンチの曲。早口言葉のように歌われる、冒頭の部分からブラジル出身者の曲らしい、明るさ&すがすがしさがあります。
他にもモンクの関連の曲があったり、チャーリー・パーカーの可愛らしい曲③「Little Suede Shoes」があったり・・モダンジャズの伝統に根ざす、そのルーツを明かすような曲があるのも興味深い。2023年一枚目の注目盤、ジャズ豊作の年になるといいな・・と思い私は聴きました。(神尾)

演奏者・曲目

フレッド・ハーシュ(p)
エスペランサ・スポルディング(vo)

1. But Not For Me
2. Dream Of Monk
3. Little Suede Shoes
4. Girl Talk
5. Evidence
6. Some Other Time
7. Loro
8. A Wish

「But Not For Me」フレッド・ハーシュ HPより

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