ウラジミール・シャフラノフ・トリオ『ブルース・フォー・パーシー』

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モダンジャズの王道を行くピアニスト、約3年ぶりのピアノトリオ作品。CDとSACDが聴くことができるHYBRID CD

ウラジミール・シャフラノフ・トリオ『ブルース・フォー・パーシー』VHGD-10002
メーカーコメント

斬新なアレンジの「枯葉」、躍動感溢れるセルジオ・メンデスの「グルーヴィ・サンバ」、抒情的なケニー・ドーハムの「スカンジア・スカイ」等聴き逃すことができない演奏が現在の姿を写し出している傑作アルバム!

アルバム・タイトルはウラジミール担当プロデューサーの愛犬との別れを悼み書き下ろしたブルース曲。愛らしくも素敵なレクイエムとなっているタイトル曲。

ジャズ担当、おすすめコメント

近年レコーディングを共にする北欧のメンバーとの、約3年ぶりとなるピアノトリオ新作です。ハンス・バッケンロスはスウェーデンを代表する、バーサタイルなベーシスト。ムッサ・ファデラ(1981年生れ)は若い世代に属するドラマー、端正なスタイルの正統派と言えますでしょうか・・こんなメンバーに囲まれて、伸び伸びとスイングし、時に濃密に聴かせます。

オープニングの「枯葉」は、オーソドックスな一曲目と思ってしまいますが、いやいや・・。あらためて聴くと、お馴染みのキャノンボール・アダレイのイントロを使いながら、途中リズムチェンジも加え、躍動感&美しさあり、トリオの熟練を感じる作りだと思います。次の「バット・ビューティフル」では、2曲目にして早くもロマンチックなシャフラノフ節を披露。ピアノのイントロからベースソロ、そしてまたピアノにバトンタッチされるメロディのリレーがいいですね。エンディングも見事。
④「ネイムリー・ユー」もさりげなく美しい曲、昔のプレステッジのレコード、B面2曲目辺りに配置されそうな曲だとも思います・・。
そして、私が注目したいのは、⑩「ルビー・マイディア」、⑪「マイノリティ」というバップ時代の2曲。私的な話ですが「ルビー~」は、以前ウラジミール本人に好きな曲だと話したらライブで弾いてくれた曲。ライブの後、曲の構成について解説してくれたのも思い出です。「マイノリティ」はベースのイントロでスタート、この疾走感はバップ好きの地が出た演奏ですね。
最終曲はバッハの「シシリアーノ」、ウラジミールの奥様が好きな曲だそう。これも以前、本人から聞いたのですが、自分はジャズピアニストで気に入ったメロディがあれば、何でもジャズにする(ただし原曲のメロディの美しさを大事にする)と話していました(かっこいい!)。

あらためて、聴くほどに納得するところが多い作品だと思います。ぜひじっくりどうぞ。(ジャズ管理人)

演奏者・曲目

ウラジミール・シャフラノフ(p)
ハンス・バッケンロス(b)
ムッサ・ファデラ(ds)

1. 枯葉
2. バット・ビューティフル
3. グルーヴィ・サンバ
4. ネイムリー・ユー
5. ブルース・フォー・パーシー
6. ラブレター
7. アッパー・マンハッタン・メディカル・グループ
8. チェルシー・ブリッジ
9. スカンジア・スカイ
10. ルビー・マイディア
11. マイノリティ
12. シシリアーノ

Produced by Wakana Hara
Recorded at Yardhouse Studio in Stockholm, Sweden on September 25th, 2022.
Engineered by David Sales
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix Stereo
Cover Art by Wakana
Designed by Artplan

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