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プロ活動70年「剣士のような立姿」(By 栗林すみれ)。89歳のジャズギタリスト中牟礼貞則『弦音』について。
ジャズ担当、おすすめコメント
プロ活動70年。多くのファンを持ち、多くのミュージシャンからも愛されるベテランギタリスト、中牟礼貞則。佐藤允彦、渋谷毅ら6人のピアニストとのデュオ、そして弦楽カルテットをバックに迎えた曲も含んだ新作です。実に素の音を出すギター。淡々とした美しい演奏の中、何とも暖かい瞬間を多く感じるアルバムです。例えば、①「デューク・エリントンズ・サウンド・オブ・ラブ」は渋谷毅とのデュオ。お互いに様子を伺いながら、いつの間にかインテンポに・・さらに聴き進むと、場面場面でピアノ&ギターの主従関係が入れ替わっていきます。まさに2人の語らいですね。こうした演奏を通してピアニストの個性を楽しむのもいいもの。上に書いた「剣士のような立姿」とは、ブックレットに記された、ピアニスト栗林すみれさんの言葉です。各演奏者から中牟礼さんへ寄せられた、人柄を伝えるコメントも必読です。(ジャズ管理人)
演奏者・曲目
1. Duke Ellington’s Sound of Love (with 渋谷毅)
2. In a Stream (with 大口純一郎)
3. Eu Sei Que Vou Te Amar (with 栗林すみれ)
4. Detour Ahead (with 石井智大ストリングカルテット+金澤英明)
5. Come Rain or Come Shine (with 高橋佑成)
6. Close Enough For Love (with 石井彰)
7. Time Remembered (with 佐藤允彦)
8. Here’s That Rainy Day (with 石井智大ストリングカルテット+金澤英明)
中牟礼貞則(g)
渋谷毅『カーラ・ブレイが好き』
昔からのジャズ仲間に推薦されたピアノソロ作。どの曲もゆったりしたテンポがあって、あたたかくとても優しい。全ての曲がひとつに繋がっているようにも思えます。渋谷さんはブックレットで、カーラ・ブレイの音楽について「(エリントンの音楽より)もっと身近にあって・・」(抜粋)と記します。
フレッド・ハーシュ&エスペランサ・スポルディング『アライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』
ハーシュとエスペランサ(年の差30歳以上)、なんとも意外な組み合わせと思いましたが、2013年に初共演し、以降もデュオとして活動を続けているのですね。